MX-30で音楽を聴く/MX-30
MX-30というクルマにはCD/DVDプレイヤーが存在しない。オプションにも設定が無い。似たような名前のCX-30にはあるけど、MX-30には無い。光学ドライブとは潔くお別れした車である。カタログを読んでいて「ん?」と思って3回くらい読み返したけどどこにも見つからなかったので「ん?????」と内装の画像を見て分かった、この車に光学ドライブをつけるスペースは無い……。
頑張ればどこかにつけられたかもしれないけど、あの内装のどこかに光学ドライブを取り付けられたらそれはそれで興ざめである。スタイリッシュ性能に全振りしたあの姿に惚れて買ったのだ。タッチパネルのエアコンもビミョーに面倒くさいといえば面倒くさいけど、あの見た目のためなら許容できる。カッコイイは正義!
前の車は真逆で音楽を聴く手立てがCDプレイヤーしかなかったので、必然的に車内に大量のCDを持ち込んでその時の気分で色々入れ替えていた。今思えば令和の世とは思えないね……。しかし他に手段が無かったのでそれが当然だったし、それどころかPCの安っぽ~いスピーカーで聞くより音がマシに聞こえたので(BOSEのオプションつけてるMX-30に比べると貧弱だったと思われるけど)CDを買ったらとりあえず車に持ち込んで聴いたものだった。
そうやってCDと光学ドライブに魂を引き寄せられて生きて来たのに、突然のお別れ宣言である。振れ幅が極端すぎる。しかし光学ドライブが無いからといってMX-30を買うのを諦めるかといえば、そんな訳ない(断言)。CDには随分お世話になったけど、それの有無が車選びの条件になることはない。CDとはこのへんで一旦お別れして現代の車内での音楽の聴き方にアップデートしよう。MX-30は諦めんぞ!
スマホかウォークマンかUSBメモリか
では何で音楽を再生するかというと、選択肢は「スマホを繋ぐ」、「ウォークマン等スマホ以外の機器を繋ぐ」、「USBメモリを使う」の3択。この中だと通常スマホをBluetoothで繋ぐのが一番手っ取り早いと思われる。音楽用途以外でもスマホはどうせBluetoothで繋ぐからね。
ただ個人的趣味趣向の話になるけどこのパターンは却下である。スマホと車内の音楽は別にしておきたい。理由はあくまでお気持ちの問題。よって今回は「スマホ以外で」とする。特段こだわりの無い人はスマホを使えばよい、以上。
2つ目の「スマホ以外の機器を繋ぐ」のは一番最初に考えたこと。以前はCDを片っ端からPCに取り込んでウォークマンに入れてどこに行くにも持ち歩いて聞いていた頃があって(前の車に乗っていた頃よりよっぽど現代的だった)、改めてもう1回そのスタイルも良いなぁとちょっと思っていた。車の外でも使えるし。ただ新しく買うことになるのでそれなりにお金がかかるため一旦保留とした。
となると3つ目の「USBメモリ」ということになる。USBメモリはウォークマンよりずっと安いし、MX-30で使わなかったとしても何かしらの用途はある。差しっぱなしにしておく都合上大きいものだと邪魔になりそうなので、家電量販店に売っていたやつの中で一番小さいタイプを選んできた。
今時はPCを経由せずにCDをスマホに取り込んだりする道具もあるらしいけど、PCがあるので当然それでやった方が早い。というかウォークマン持っていた頃は普通にやっていたので以前のスタイルに戻っただけともいう。その時点から今にワープ出来たら何の苦労も無かった……。
車移動が多くなってからはウォークマンを使う頻度が下がってCDのみを使うようになったため、その間にあったPCの入れ替え時にデータの引っ越しもしなかった。おかげで手元にデジタルの音楽ファイルがほとんど存在しない。前のPCを探せば当然入っているはずだけど、それを出してくるのも面倒くさいので前の車に常備してあった一軍CDを改めてPCに取り込むことにした。
Music Center for PC
元々ウォークマンを使っていたのでソニー製の音楽ソフトには馴染みがある。SonicStageには大変お世話になりました。さすがにこれが生き残っていないことは知っていたけど、調べたらその後継がXアプリ→Media GO→Music Center for PC(以下MCfPとする)となっていた。Xアプリまでは知ってたけどその先は知らん。変遷がはげしい。最後のMCfPが現行版ということになるらしい。
最初に書いた通りこの時点ではウォークマンをまた買う可能性が若干残っており、ウォークマンを使うならMCfPが必要になりそうだったのでこれをインストールすることにした。MCfPはウォークマンにしか対応しないらしいので(同じソニーでもXperiaは対応しない)ウォークマンは使わないならこれを使う必要性は正直全く感じない。
MCfPをインストールし、手持ちのCDを順番にPCに取り込む作業をしながらふと保存されたファイルの拡張子を見たら……mp4と書いてある。mp4って動画じゃないのか?
調べたらCD取り込み時の設定が「aac形式」になっていて、MCfPの場合はその形式で保存すると拡張子がmp4になるのが仕様とのこと。MCfP上で再生させると動画ではなくmp3などと同様の音楽ファイルとして再生される。これと同じように動いてくれるのなら何の問題も無いけど、第7世代のマツダコネクトは動画を再生する機能もあるのでmp4だとそのまま動画扱いになるんじゃ……?と思った。
それにaac形式は車載機器では再生できない可能性がある、との記述も見かけた。マツコネはどうなのか調べたけど取説を読んでも分からなかった。
【追記】読んでる場所が悪かっただけでちゃんと書いてあった。取説はきちんと読もう。
分からないのでとりあえず実際に動かしてみることにした。USBメモリへのファイルの移行は、エクスプローラ経由でコピーするだけ。そのままどんどん放り込むとカオスになりお目当ての曲を探すのがハイパー面倒くさいことになるので、カテゴリごとにフォルダを分けてその中に仕分けしていくと車内での操作が平和になる。仕組み的に元のCDの構成に縛られず割と自由にできる。
それが終わればUSBメモリ側は準備完了、あとはMX-30のUSBスロットに差し込む。
個体差なのか仕様なのかUSBメモリを差し込む時の手ごたえが異様に固かった。反対に取り外そうとしてとした時も全く抜けず、このフローティングコンソールの下という絶妙なポジションも災いしてとにかく苦労した。もっと大きいサイズのUSBメモリにしておけばまだ抜きやすかったのかもしれないけど、よりによってこのサイズ……。少しずつUSBメモリを引っ張りだすようにして5分くらいかけてようやく抜けた。
2回目からは若干マシになって、何度か脱着しているうちに「多少固い」くらいに落ち着いた。車内で振動を受けまくるので元々固めなのかも。脱着の容易さでいうとUSBメモリはもっと大きい方が楽は出来ると思う。でも見ての通り、差しっぱなしでもスマートでそこはお気に入り。
音楽として聴くならファイルはmp3で保存しよう(mp4は動画)
苦労してUSBメモリを差し込んだら、あとはマツダコネクトで認識されているか確認するだけ。するとmp4ファイルは想像通りUSB-AudioではなくUSB-Videoで認識された。やっぱり動画かぁ……。動画ではあるけど画はないので画面は黒一色、ただ音楽が再生されるだけ。音だけの動画。
マツコネで再生できるなら別にこれでも使えるんじゃ?と思ったけど、USB-Videoにはシャッフル機能が無い。動画をシャッフルで見るっていう機会はまあ無いね、無くて当然の機能ではある。でも音楽を聴くのにシャッフルはどうしても欲しい。決まった順番で聞いていると飽きるし。走行中に画面が表示されないというメッセージが視界に入るとうるさいのも気になる(TVキットを入れていないので)。
そういえば前の車のCDプレイヤーにはシャッフル機能があったけど、シャッフルのパターンがあってその順番で再生させるというなんとも雑な仕様だったのか、シャッフルといいつつも次流れる曲が完璧に分かるという微妙なシャッフルだった。あれはイマイチだった……シャッフルとは何ぞや?
確認用に一緒にUSBメモリに保存してあったmp3ファイルはUSB-Audioで認識された。つまりマツコネで音楽を聴くにはmp4では駄目でmp3である必要がある(他の拡張子は取説見てね)。
想像通りだったけど、結構な数のCDを既にmp4で取り込み済みだったのでもう一度イチからやり直すのはちょっと面倒くさい。これから取り込む分はMCfPの設定を変えて最初からmp3で保存すれば良いけど、既にある分をどうするか……。
分からんことがあったらググってみるに限る。するとあっさり「iTunesでmp4→mp3の変換が出来る」ことが分かったので即iTunesをインストールした。その方法もいくらでも他所に転がっているのでそっちに丸投げする(雑)。
iTunesでmp4をmp3にまとめて変換したらUSBメモリに入れ直し、再度MX-30で確認したら全部USB-Audioで再生できることを確認。やたら遠回りをした気がする。これでシャッフルも使えるようになって一安心。今のところ特に不満が特に無いのでウォークマンは結局買っていない。
だったら最初からiTunesで良かったんじゃ……。
aacファイルの謎
後日別の用事でマツダコネクトの取説を読み直したら、ちゃんと対応するファイル形式が書いてあった。取説読み飛ばすやつでごめんなさい。オーディオの項目のところにちゃんと事細かに書いてあったのでみんな読んで欲しい。大事なことは全部取説に書いてある(当たり前)!
それによると、aac形式はオーディオファイル扱いになると書いてあった。しかし現実にはaacで取り込んだファイルがUSB-Videoで動画ファイルとみなされてしまった。何故本来の挙動にならかったのか?
もうちょっと調べてみたら「MCfPの先祖であるMedia GoやXアプリでaac形式に変換すると拡張子がmp4になって動画ファイル扱いになる(ここまで知ってる)、この拡張子をm4aにすることで他の機器でもオーディオ形式のaacファイルとして認識される」という話を見つけた。MCfPの話では無かったけど、このアプリの来歴を踏まえるとこれが怪しい。
元のmp4ファイルと、それをコピーしてm4aにしたファイルを用意してテストしてみた。
mp4の方は見るからに「動画」だけど、m4aはちょっと違う。期待できるな?と思ってUSBメモリに保存してMX-30に持って行ったら、m4aの方はUSB-Audioになっていた!正解!
まとめると「マツダコネクトはaac形式のファイルをオーディオファイルとして再生できる。ただしMusic Center for PCを使ってaac形式で取り込むと拡張子がmp4になる仕様があるため、このままだと動画ファイル扱いになる。拡張子をm4aに変えればオーディオファイルになる」ということ。つまりMCfPを使ったのがすべての面倒くささの根源だったらしい。やっぱり最初からiTunesを使っていたらこんなに長文書く必要は無かった……。
やはりMCfPはウォークマン専用で使った方がいいのかもしれない。